#024けんかをやめた鳥の話 ~共命鳥が教えてくれる大切なこと~

お参りさせていただいたお宅で、昔ながらの大きなお仏壇を拝見すると、浄土の鳥の彫刻が施されていることがあります。『仏説阿弥陀経』には、「共命鳥(ぐみょうちょう)」という鳥が説かれています。この鳥は、大変美しい羽毛を持ち、澄んだ声で鳴くといわれています。


では、なぜ「共命」と呼ばれるのでしょうか。それは、体は一つでありながら頭が二つあり、命を共有している鳥だからです。片方をカルダ、もう片方をウバカルダといいます。二羽は、ともに浄土に生まれる以前は、非常に仲が悪かったと伝えられています。ある日、互いに「自分の声こそ、この世で最も美しい」と言い張り、争い始めました。

 

やがて憎しみは深まり、ついにはウバカルダが「カルダさえいなくなれば、この私が世界一になれる」と考えるようになります。そしてカルダを騙し、毒の実を食べさせてしまいました。カルダは死んでしまいます。しかし、体は一つです。結果として、ウバカルダ自身も命を落とすことになりました。

 

仏法の根幹には「三法印」と呼ばれる教えがあります。その一つに「諸法無我」があります。
これは、すべてのものは単独で成り立っているのではなく、互いに関係し合い、支え合うことで成り立っている、という教えです。

 

この共命鳥は、いわば「一つの命の上に、二つの頭が突き出ている」姿をしています。私たちの生き方も、これに似ているのではないでしょうか。例えば4人家族であれば、つながり合った一つの命を共にしながら、4つの頭が突き出ているような存在とも言えるかもしれません。それは家族に限らず、仲間、地域、職場へと広げていけば、同じことが言えるでしょう。

お浄土の共命鳥は、「相手を滅ぼす道は、己を滅ぼす道である。相手を生かす道こそが、己が生かされる道である」と、今もなお私たちに向かって鳴き続けているのです。

 

▼この話の法話音声▼